安倍晋三首相は2日、首相官邸でウクライナのクリムキン外相の表敬を受けた。首相は同国東部での政府軍と親ロシア派武装勢力の停戦合意について「合意を履行し、停戦を確保することが必要だ」と述べ、平和的な解決に貢献する考えを表明した。ウクライナ経済の再建に向けた支援を継続する考えを伝えたほか、同国内の改革を促した。
首相はロシアによるウクライナ南部クリミア編入について「ウクライナの領土と主権の一体性を尊重する」と反対する考えを改めて示した。クリムキン氏は日本の支援に謝意を伝えた。
この後、岸田文雄外相が都内の外務省飯倉公館でクリムキン氏と会談。財政再建やインフラ復旧などを柱とする約18億ドル(約2160億円)の支援を着実に実施する方針を伝える。汚職対策や司法制度改革の必要性を訴えるとともに、国内に併存するウクライナ系とロシア系住民の和解への努力も働きかける。
ウクライナ東部では2月半ばの停戦合意後も同国政府軍と親ロシア派との紛争が続いている。