北京市は16日夜、新型コロナウイルス感染拡大予防対策に関する第121回記者会見を開き、北京市政府の陳■副秘書長(■は草かんむりに倍)が「新型コロナウイルスに関する緊急対応レベルを3級から2級へ引き上げる」と発表した。北京日報が報じた。
卸売市場のクラスターですでに北京市9区全国3省に飛び火
北京では57日連続で新型コロナウイルスの新規感染者が報告されていなかったものの、11日に北京市内を感染源とする国内症例の新規感染者が発生。全ての感染者が新発地農産品卸売市場と直接、または間接的な疫学的関連があることが確認されている。
今回のクラスター発生により、北京市全体の56.3%を占める9区(豊台、大興、海淀、房山、西城、東城、朝陽、石景山、門頭溝)の28街道(エリア)で感染者が確認されているほか、全国の3省(河北3人、遼寧2人、四川1人)でも関連の感染者が確認されている。
現時点では、今回のクラスターは、ヒトからヒトへの感染、または汚染した物品・環境が原因で引き起こされた感染と判断されている。 今回のクラスター発生が再度人々に警鐘を鳴らす格好となっており、いつどこででも感染するリスクがまだ存在しており、感染予防対策を常態化させ、それを緩めてはならないことを再認識し、そこから十分に教訓をくみ取らなければならない。
緊急対応レベルが2級に引き上げられたことで、市民の日常生活にはどのような変化が生じているのだろうか?
①農産品市場や野菜市場、飲食店、企業の食堂などで、厳格な感染予防対策が実施され、全面的かつ規範化した消毒作業を展開。地下の日陰で湿度の高い場所にある全ての店などを閉鎖。
②17日から、小中高校の全ての学年の登校を停止。高等教育機関の登校再開も停止。校外の教育機関のオフライン授業、集団活動の停止も継続。
③中・高リスクの街道、郷・鎮の住民、新発地市場の関係者が北京から離れることは禁止され、それ以外の人々も「不要不急の場合は北京を離れない」という原則を守り、北京を離れる必要がある場合は7日以内に実施したPCR検査の陰性証明を携帯しなければならない。
④公共エリアや運動施設・スペースなどでは体温測定、日常的な換気、消毒、北京市の健康状態確認プログラム・健康宝の「グリーンコード」確認作業を徹底。緊急対応レベル2級の場合、企業活動や操業の停止は必要ないものの、オフィスに出社する従業員の数を減らし、テレワークやフレックスタイム制、時差通勤制の採用を奨励。