東芝の半導体メモリーを巡るデータ漏洩事件で、不正競争防止法違反(営業秘密開示)の罪に問われた東芝の提携先の米企業「サンディスク」日本法人の元技術者、杉田吉隆被告(53)の判決公判が9日、東京地裁であった。室橋雅仁裁判長は「極めて悪質な営業秘密の開示」として、懲役5年、罰金300万円(求刑懲役6年、罰金300万円)を言い渡した。
弁護側は判決を不服として控訴する方針。
判決によると、杉田被告はサンディスクに所属していた2008年1~5月ごろ、東芝の四日市工場(三重県)で同社の半導体メモリーの研究データを無断でコピー。韓国半導体大手「ハイニックス半導体(現・SKハイニックス)」に転職後の同年7月と10年4月ごろ、スライド映写したりメールに添付したりして同社従業員に開示した。
事件を巡っては、東芝がハイニックスを相手取って約1100億円の賠償を求めて民事でも提訴。東京地裁で昨年12月、ハイニックスが2億7800万ドル(約330億円)を支払う内容で和解が成立した。