【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)は9日、ユーロ圏財務相会合を開き、EU側とギリシャ政府が同国の改革案などを話し合う実務者協議を11日から実施することで合意した。ユーロ圏は2月にギリシャへの金融支援を4カ月延長することを決めたが、その後は協議が遅れていた。EUではギリシャの改革に向けた努力が見られないとして、再び不満がたまり始めている。
ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は9日の記者会見でギリシャ問題で「これ以上時間を無駄にしないことで一致した」と語った。ギリシャ政府がユーロ圏から資金を受け取るには財政政策などの審査が条件となっており、専門家が具体的な協議に入る。ギリシャのバルファキス財務相は「きょうの会合は決定的な一歩となった」と意義を強調したが、EU側との溝は埋まっていない。
バルファキス財務相は5日、租税回避対策などの改革案を提出したが、デイセルブルム議長は「全体的な改革が検討されるべきだ」と指摘した。ギリシャに追加融資を実行するには、同国が改革を表明するだけでなく、実行する必要があるとの認識も示した。そのうえで改革の実行に合わせて、追加融資を分割することも示唆した。
ギリシャは資金繰りが厳しくなってきているとみられ、EUに対して改革姿勢を示す必要が強まっている。