兵庫県洲本市(淡路島)の5人刺殺事件で、兵庫県警が無職、平野達彦容疑者(40)=殺人容疑で送検=宅から殺傷能力の高いサバイバルナイフを押収していたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。凶器とみて鑑定を進めるとともに、5人を司法解剖して死因を調べている。
殺害された平野毅さん(82)、恒子さん(79)夫婦の遺体がそれぞれ、母屋と離れの寝室で見つかっていたことも判明した。県警は夫婦が就寝中か、起きて間もなくに襲われたとみている。
捜査関係者によると、サバイバルナイフは9日の家宅捜索で見つかった。血痕は付着しておらず、平野容疑者が拭き取ったり、洗い流したりした可能性がある。
平野容疑者は現行犯逮捕された際、血の付いた服を着ていたが、ナイフは持っていなかった。県警はいったん自宅へ戻ってナイフを置き、再び外に出たとみている。
毅さん夫婦の遺体は死後1~4時間ほどで現れるとされる硬直が始まっていた。約100メートル離れた民家に住む平野浩之さん(62)、妻の方子さん(59)、母親の静子さん(84)が自宅などで襲われた9日午前7時すぎより前に、刃物で刺されるなどしたとみられる。〔共同〕