赤トンボの生態を一緒に研究していた准教授と大学院生の女性との間に何があったのか。2人を知る関係者は驚きを隠さなかった。
福井県勝山市などによると、前園泰徳容疑者(42)は東大大学院出身の農学博士。2009~12年、東邦大(千葉県)の非常勤講師を務めていた際、殺害された菅原みわさん(25)と知り合ったとみられる。
勝山市が11年に環境教育に当たる人材として招き、13年4月に福井大教職大学院の特命准教授に就任。赤トンボの生態を研究し、11年には、水田で羽化したトンボが夏になると、涼しい山間部に移動することを国内で初めて確認した。
東邦大によると、菅原さんは、このときのグループ研究に参加。羽化時に目印を付けたトンボを水田から約10キロ離れた山頂付近で捕獲し、移動を裏付けたという。昨年10月に大学院を休学し、研究のために千葉県と勝山市を行き来していた。
2人をよく知る勝山市職員は「前園准教授は環境教育に熱心に取り組んでいた。菅原さんも研究者肌で真面目な人。トラブルなんて聞いたことがない」と話していた。〔共同〕