一緒に研究していた大学院生の女性を殺害したとして、福井県警は14日、福井大大学院教育学研究科の特命准教授、前園泰徳容疑者(42)=同県勝山市長山町2=を殺人容疑で逮捕した。前園容疑者は赤トンボの生態研究で知られ、環境教育の専門家だった。
逮捕容疑は3月12日ごろ、勝山市村岡町の路上に止めた軽自動車の中で、東邦大(千葉県)の大学院生、菅原みわさん(25)=同市本町1=を殺害した疑い。
司法解剖の結果、死因は窒息死だった。県警は前園容疑者の認否を明らかにしていない。軽自動車は菅原さんが所有していた。
東邦大によると、菅原さんも赤トンボの研究をしており、前園容疑者の研究チームに参加していた。前園容疑者は2009年4月から12年3月まで東邦大の非常勤講師だった。菅原さんは休学中で、勝山市を拠点に研究を進めていた。
12日に前園容疑者から連絡を受けた妻が「事故を起こした女性を病院に搬送している」と110番した。車に事故による傷がないなど不自然な点があるため県警が捜査を進め、遺体の状況などから殺人事件と断定した。2人の間に何らかのトラブルがあった可能性があるとみて調べている。
勝山市によると、前園容疑者は市の環境保全推進コーディネーターも務めていた。〔共同〕