原子力規制委員会は18日、九州電力川内原子力発電所1号機(鹿児島県)の安全対策にかかわる設備の詳細を記した「工事計画」を認可した。これを受け、規制委は現地で設備の検査に入る。再稼働に向けた手続きは大詰めを迎えた。
すでに鹿児島県など地元自治体は再稼働への同意を表明済み。今後の手続きが順調に進めば、電力需要が高まる夏には運転再開にこぎつけそう。2013年9月に関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)が停止して以来、国内で続いた稼働原発ゼロの状態が解消する。
川内原発は全国の原発に先駆けて昨年9月に規制委の安全審査に合格し、工事計画の認可を得る手続きに入っていた。書類の不備などで時間がかかったものの、18日の定例会合で規制委は「(要求事項に)適合している」と判断、認可した。
東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえて13年7月に原発の新規制基準を導入して以降では、初めての認可となる。規制委の田中俊一委員長は「大きな前進だ」と評価した。
規制委は近く、九電の申請に基づいて現地で設備や機器を確認する「使用前検査」に取りかかる。九電は4月に2号機の工事計画の書類も提出する。一部の設備は1、2号機の共用で、今後の認可の手続きや検査には数カ月かかる見通し。