警視庁は20日、JR池袋駅(東京・豊島)構内でサリンがまかれたとの想定でテロ対策訓練を実施した。20年前の地下鉄サリン事件で、情報が錯綜(さくそう)し混乱した反省を踏まえ、警察、消防、鉄道会社などが連携を確認した。
この日の訓練は、駅の地下通路で何者かがサリンの入ったビニール袋を傘で突き刺し、駅利用者ら7人が負傷したシナリオを想定。警視庁のほか東京消防庁、JR東日本、近くの百貨店などから総勢約70人が参加した。
化学防護服を着た警視庁のNBC(核・生物・化学)テロ捜査隊員や消防隊員が液体を回収し、周辺を除染。JR職員や百貨店店員が通行人の避難を誘導した。
大橋良則・池袋署副署長は「海外で邦人が被害に遭うテロが相次いでおり、国内でも警戒を怠らないようにしなければ」と話している。