【パリ=竹内康雄】ドイツの格安航空会社(LCC)ジャーマンウイングスの旅客機(乗客乗員150人)の墜落に関し、ドイツの検察当局は26日、故意に墜落させたとされるドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の自宅など複数の関係先を家宅捜索した。旅客機を墜落させる動機がなかったか詳しく調べる方針だ。
26日、ドイツ西部デュッセルドルフにあるルビッツ副操縦士のアパートから箱を運び出す捜査官ら=AP
捜索はフランス当局からの情報を受けて実施した。仏独は協力して全容解明をめざす。仏当局は「副操縦士が自らの意志で航空機の高度を失わせた。故意に機体を破壊しようとした」として、殺人容疑での捜査を検討している。
旅客機は24日にスペインのバルセロナからドイツのデュッセルドルフに向かう途中、仏南東部に墜落した。機長が何らかの理由で操縦室を外して戻ろうとすると、副操縦士は反応せずに扉を開けるのを拒否したという。
今後の捜査では、副操縦士の動機解明が最大の焦点となる。ドイツの検察当局は26日、独西部モンタバウアーの副操縦士自宅などを捜索。押収物が入った段ボールを運び出した。
仏独当局は精神面や思想面で問題がなかったか慎重に調べる。独内務省は副操縦士はテロリストとのつながりはなかったと説明している。
ジャーマンウイングスの親会社、独ルフトハンザによると、副操縦士は訓練を中断した時期があるという。独メディアは、「訓練中断で落ち込んでいた時期があった」と副操縦士の知人の発言を伝えている。
副操縦士の年齢について、仏当局は当初28歳と発表していたが、独当局は27歳と訂正した。