【博鰲(ボーアオ・中国海南省)=大越匡洋】中国が主導して年内に設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)にロシアとブラジルが参加することが28日、固まった。オーストラリアは29日に参加を表明する。AIIBはアジアの地域内にとどまらず、域外の先進国から新興国までを幅広く参加メンバーに取り込む勢いをみせている。
ロシアのシュワロフ第1副首相は28日、出席した博鰲アジアフォーラムの式典で参加を申請すると表明した。中国財政省は同日、ブラジルのほか、オランダなどが参加することも明らかにした。
一方、豪州のコールマン金融相は博鰲フォーラムの席上、「29日朝にAIIBへの参加を正式に発表する」と明言した。
AIIBは昨年10月、21カ国が創設に基本合意した。創設メンバーになるための申請を締め切る今月末を控え、新たな参加表明が相次いでいる。創設メンバーが40カ国を超えるのは確実だ。
創設メンバーは6月末までに出資比率などを固めた設立協定を結び、年内に運営を始める予定だ。最終的に1千億ドル(約12兆円)とする資本金の多くを中国が負担し、初代総裁ポストも中国が握る見通しだ。
ロシア、ブラジルの参加表明により、新興5カ国(BRICS)のうち、南アフリカを除く4カ国がAIIBへの参加で足並みをそろえた。