札幌や広島など5政令市の市長選が29日告示された。「経済環境を整える」「安心の町づくりを」。各地で財政運営など地域が抱える課題をめぐる論戦が始まった。
「自・民対決」の札幌市。12年ぶりに誕生する新市長の座を目指して5新人が立候補した。自民党推薦の元総務省職員、本間奈々氏(45)はこれまでの緊縮財政を批判し「札幌を変えよう」と呼びかけた。
民主党が推す元副市長の秋元克広氏(59)は「若い人が仕事をできる経済環境を整える」と主張。現職も応援に駆け付けて「後継」をアピールした。共産党が擁立した春木智江氏(56)は「国にノーと言える市長が必要」と訴えた。
一方、広島市長選は与野党が相乗りで推す現職に4新人が挑む。
現職の松井一実氏(62)は千人超を集めた決起集会で「安心、安全の町づくりを進める」と訴えた。元サンフレッチェ広島社長の小谷野薫氏(52)は「夢を語れる町にする」と強調。昨年8月の土砂災害発生時、登庁が遅れたと松井氏を批判する場面もあった。
前回、無投票だった浜松市長選には無所属の2人が出馬した。現職の鈴木康友氏(57)は「財政効率化に取り組み、全国をリードする自治体にしたい」と主張。共産党推薦の嶋田博氏(66)は鈴木市政を「市民の暮らしを守っていない」と批判した。〔共同〕