伊藤忠商事は1日、2015年3月期に米シェール開発関連で約380億円の損失を計上すると発表した。原油価格の下落で出資先の企業の業績が悪化した。資源安を受けて総合商社では原油やシェール開発での損失計上が相次いでいる。
伊藤忠は子会社を通じて米石油・ガス会社サムソン・リソーシーズ(オクラホマ州)に対し、24.6%を出資している。サムソンは3月31日に14年12月期の決算を発表。オイルやガスの採掘設備の価値が目減りし、23億2534万ドルの減損損失を計上した。最終損益は14億2058万ドルの赤字(前期は11億537万ドルの赤字)となった。
伊藤忠は出資比率に応じた持ち分法損失を計上する。すでに14年4~12月に130億円の損失を計上していたが、損失額が大幅に拡大する。
シェール関連の損失の一方、中国企業への出資方法変更に伴う利益計上があり、15年3月期の連結純利益は前の期比22%増の3000億円の予想を据え置いた。
原油安にともなうシェールの採算悪化で、他の大手商社も多額の損失計上を迫られている。住友商事はシェール関連で15年3月期に合計2360億円の損失を計上、16年ぶりの最終赤字となる。