【北京=阿部哲也】「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングと中国インターネット通販大手の京東集団は8日、ネット通販事業で提携すると発表した。仮想商店街「京東商城」にユニクロの「ネット旗艦店」を出店し、17日から営業を始める。京東が上海市に新設した専用の大型物流倉庫を通じ、独自の速達サービスなどを提供する。中国では衣料品もネット通販が主流になりつつあり、両社は共同で新規客の取り込みを急ぐ。
京東商城内にユニクロ公式旗艦店を出店する。上海市に面積1万600平方メートル、100万着の衣料品在庫を管理できるユニクロ専用倉庫を用意した。京東の在庫管理システムを活用し、上海市内なら6時間以内に商品を届けられる速達サービスなどで差異化につなげる。
ユニクロは販売チャネルを広げ、中国事業を強化する狙いだ。すでにアリババ集団の「天猫(Tモール)」に出店しており「ネット通販は中国売上高の5%以上を占めるまで急成長している」(中国法人幹部)という。京東への出店効果をテコに、早期にネット販売比率を10%台に高める。
一方、京東はユニクロの集客力を生かし、若年層などの利用拡大を促す。これまで家電や通信機器を主力にしていたが、2014年は品ぞろえの拡大が功を奏して服飾関連商品の取扱高が前年の2.2倍に急増した。15年は衣料品や雑貨の販売取扱高を14年の2倍以上に増やす計画だ。