9日午後0時50分ごろ、沖縄県沖縄市高原7にあるNPO法人の事務所兼住宅で、代表の上江田静江さん(63)が血を流して倒れているのを長女(23)が発見、119番した。静江さんは死亡、腰付近に、背後から刃物で襲われたとみられる刺し傷があった。県警は殺人事件と断定、捜査本部を設置した。
NPO法人は「サポートセンターゆめさき」で、約30年にわたって不登校の子供らの学習支援をしている。
県警によると、静江さんは2階の住宅部分に長女と2人で暮らしていた。9日午前0時ごろ、長女は寝室に入る際に静江さんと会ったが、9日午後0時半ごろにリビングでうつぶせに倒れているのを見つけた。1階にある事務所とは内部でつながっておらず、2階には外階段から入る構造になっている。
刺し傷は1カ所。室内は荒らされた形跡がなく、捜査本部は9日の未明から昼ごろにかけ、何者かが背後から襲ったとみている。
1階事務所は職員が午前9時半ごろに開け、複数の利用者が普段通り活動していたが、異変に気付かなかったという。
県警や市教育委員会によると、ゆめさきは不登校やひきこもりの小中学生への学習指導や、障害児らの支援をしている。ゆめさきのホームページによると、1986年に活動を始め、その後、NPO法人を設立。県や市の委託で若者の職業訓練などにも取り組んでいる。
現場は、沖縄市南部の住宅地。近所に住む男性は「教育熱心で信望も厚かったのに、事件に巻き込まれるなんて信じられない」と話した。〔共同〕