「血管の傷を治す」などと嘘を言って高齢者に健康食品を売ったのは特定商取引法違反(不実告知など)に当たるとして、消費者庁は9日、東京都墨田区の販売会社「あるける」など3業者に10日から3カ月間、新規勧誘などの一部業務停止を命じた。
同庁によると、3業者の代表は、昨年6月に同法違反で一部業務停止を命じられた健康食品販売会社の営業部長や課長ら。同庁が同社を立ち入り検査した直後に3業者が設立されており、同庁は事業継続のために複数の会社を立ち上げたとみている。
3業者は他に東京都江東区の「リトリーブ」、江戸川区の「咲良」。昨年3月~今年1月まで、消費者宅に電話し、サプリ「つくし」や「六花(りっか)」などが「高血圧や糖尿病に効果がある」などと宣伝。サンプル購入者に、1箱4万2千~8万8千円の商品を購入するよう勧誘した。
購入者の約9割が70歳以上の高齢者で、中には認知症の人もいた。今年1月までの売り上げは3業者で計約1億1千万円にのぼった。全国の消費生活センターには先月までに113件の相談が寄せられていた。
あるけるなどは「現在、業務は停止している。コメントは特にありません」と話している。