【ニューヨーク=共同】米西部カリフォルニア州で、警察に当たる保安官事務所の捜査員らが無抵抗の男性容疑者を逮捕する際、激しい暴行を加える事件があり、米メディアによると同事務所は10日、関わった疑いがあるとして10人の職務を停止した。刑事事件としての捜査も始めた。
暴行を受けた男性は30歳で白人。個人情報窃盗事件の捜査対象となっていた。捜査員が捜査令状を執行しようとしたところ車で逃げ、さらに馬を奪って逃走を続けたため、保安官事務所がヘリコプターなどで追跡。
地元テレビが上空から撮影した映像は、落馬した男性がうつぶせになり、抵抗する様子がないにもかかわらず、捜査員らが頭部などに殴る蹴るの暴行を加える様子をとらえていた。男性は病院に運ばれた。けがの程度は不明。同事務所トップのマクマホン保安官は記者会見で「映像によれば(実力行使の)行きすぎがあったようだ」と述べた。
米国では最近、黒人男性を警官が射殺するなど、捜査機関による過剰な対応が問題化するケースが相次いで起きている。