重い精神障害のある患者の強制入院の必要性などを判定する「精神保健指定医」の専門資格について、聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)の複数の医師が不正取得した疑いがあることが14日、分かった。自らが診察していない患者のリポートを提出した疑いがあり、同病院は調査委員会を立ち上げ調べている。
精神保健指定医は、他人への危害や自傷の恐れがある患者を本人の同意なく入院させる措置入院の必要性などを判定する。資格を得るには一定の実務経験に加え、患者を診察したリポートを厚生労働省に提出し、審査を受ける。
同病院によると、4年前から少なくとも9人の医師が自分が診察していない患者のリポートを提出した疑いがある。内容が酷似しており、同じ患者の症例を使い回した疑いもあるという。2月に厚労省から指摘を受けて判明した。
同病院は「重大な問題として認識しており、調査委員会で原因究明を急ぎたい」としている。厚労省は、不正が認められた場合は指定取り消しなどの処分を検討する。