【メキシコ市=奥平和行】トヨタ自動車のジム・レンツ専務は15日、メキシコ市で記者会見し、同国中部のグアナフアト州に乗用車の組み立て工場を新設することについて「北米市場の先行きに自信を持っていることの表れだ」と述べた。トヨタ幹部は「今後3年間、米国の新車需要が1600万~1700万台の高水準で推移する」との見方を示した。
記者会見するメキシコのペニャニエト大統領(右)とトヨタ自動車のジム・レンツ専務(15日、メキシコ市)
トヨタは15日(日本時間)、2013年から続けてきた組み立て工場の新設凍結を解除し、約1700億円を投じてメキシコと中国・広州に新工場を建設すると発表した。凍結期間についてレンツ専務は「前進するための強固な基礎を築くことができた」と説明した。
世界2位の新車市場である米国の動向について米国トヨタ自動車販売のボブ・カーター上級副社長は「過去5年連続で成長し、今年も成長が見込める」と説明した。米国の新車販売は14年に前年比6%増の1652万台となり、8年ぶりの高水準を記録した。トヨタは15年に2%増の1690万台を見込んでいる。
記者会見にはメキシコのペニャニエト大統領も出席し「トヨタの進出により、メキシコへの自動車産業の集積が一段と進む」との期待感を示した。メキシコ生産では日産自動車などが先行し、14年にはホンダやマツダも相次いで新工場を立ち上げた。14年の生産台数は10%増の336万台となり、ブラジルを抜いて世界7位に浮上した。