電気事業連合会(電事連)が17日発表した3月の電力需要実績(速報、10社合計)によると、工場向けの「産業大口電力」は前年同月比2.3%減の217億9700万キロワット時だった。前年割れは11カ月連続。前年同月は消費増税前の駆け込み需要に対応した生産活動が活発だったため、反動が出た。2月(2.6%)から減少率は縮小した。
主要7業種のうち5業種がマイナスだった。「鉄鋼」は7.3%減で7カ月連続のマイナス、「機械」は0.2%増と3カ月ぶりにプラスに転じた。
家庭用なども含む全体の電力需要は3.8%減の702億7000万キロワット時と、11カ月連続でマイナスだった。2月中旬から3月中旬にかけて前年と比べて気温が高めに推移したことから、暖房需要が落ち込んだ。家庭向けの「電灯」は4.6%減の253億7400万キロワット時、商業施設など向けの「業務用」は4%減の145億4000万キロワット時だった。
14年度の産業大口電力は前期比1.2%減の2631億9300万キロワット時と2年ぶりに前の年度を下回った。主要業種では「紙・パルプ」が4.8%減と落ち込んだ。全体の電力需要は3%減の8230億1000万キロワット時と4年連続で前の年度を下回った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕