関西電力が6月1日に家庭向け電気料金を引き上げる見通しとなった。22日、関電の電気料金の上げ幅を査定する経済産業省の有識者会合が経産省案を了承した。経産省は消費者庁などとの協議をへて5月中に上げ幅を決める。家庭向けの値上げ幅は関電が申請した10.23%から圧縮し、10%弱になるもようだ。
経産省は関電の2015年度の火力燃料費や他電力からの購入電力料を関電の想定よりも減らす。美浜原子力発電所1、2号機(福井県)と日本原電の敦賀原発1号機(同)の廃炉に伴い修繕費や経費が減少する分(年96億円)も値上げ幅の圧縮に回すよう促す。役員報酬の減額や資産の売却なども求め、値上げ幅を小さくする考えだ。
一方、関電は値上げの前提として11月に高浜原発3、4号機(福井県)を再稼働する方針を打ち出している。だが、福井地裁が同原発の再稼働を認めない仮処分決定を下し、不透明になった。再稼働できない状況が続くと値上げによる財務の改善効果は限定的となる。