窓ガラス用断熱フィルムの効果をうたった宣伝には根拠がないとして、消費者庁が製造・販売元の翠光トップライン(東京)など2社に出した再発防止の措置命令について、東京地裁は21日までに、命令の効力を停止する決定をした。決定は20日付。
2社は命令取り消しなどを求める訴訟を起こしており、同地裁は今後、命令の適否を審理する。今回の決定により、一審判決が出るまで命令の効力が停止する。
2社の代理人弁護士によると、同地裁は決定理由で「命令によって販売困難になり信用が低下した。重大な損害を避けるために効力の停止が緊急に必要で、停止しても一般消費者に大きな影響はない」と判断。そのうえで「適否の判断は科学的知見を踏まえて審理を尽くす必要がある」と指摘した。
消費者庁によると、同庁の創設後に、裁判所が決定で措置命令の効力を停止したのは初めて。同庁は「主張が認められず残念。今後は訴訟の審理で命令の正当性を主張したい」(表示対策課)としている。