財務省は22日に開いた全国財務局長会議で、4月の経済情勢報告をまとめた。全国総括判断は「回復の動きが続いている」とし、前回2015年1月発表の景気判断を据え置いた。据え置きは5期連続。各地域の総括判断では北陸や近畿など5地域で上方修正し、関東など他の6地域では据え置いた。
財務省は全国各地の管内経済情勢をほぼ3カ月ごとに分析し、景気判断を公表している。今回の報告は15年1月下旬から4月下旬までが対象で、各財務局管内の企業への聞き取り調査などをもとに景気判断を示した。
4月の全局総括判断は「回復の動きが続いている」とし、前回の「一部に弱さがみられるものの、回復の動きが続いている」から表現を変更した。生産で改善傾向が続いていることを考慮した。個人消費では都市部で訪日外国人による高額商品の購入が伸びているとの声がある一方、「節約志向が続いている」との声も出た。
北陸は「回復しつつある」から「総じて回復している」に上方修正した。「北陸新幹線開業に伴う効果の広がりがみられる」とし、1月発表に続いての判断引き上げとなった。近畿、中国、四国、九州の4地域でも景気判断を引き上げた。
景気の先行きについて財務省は「雇用所得環境の改善傾向が続くなかで、原油価格下落の影響や各種政策の効果もあって景気が回復していくことが期待される」としている。
主要項目では「生産」は東北や北陸、近畿、中国、四国、九州、福岡で上方修正し、残る4地域では据え置いた。「個人消費」は北陸で上方修正し、残る10地域は据え置いた。「雇用情勢」は北海道や北陸、近畿、中国、福岡の5地域で上方修正し、残り6地域は据え置いた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕