カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングはコンビニエンスストア各社と提携する交渉を始める。ユニクロのネット通販で顧客が注文した商品を、コンビニの店舗で受け取れるようにすることを軸に検討する。まずローソンと交渉に入った。全国に約1万2000店舗あるローソンの店舗網を生かして商品受け取りの利便性を高め、ネット通販の強化につなげる。
ファストリは大和ハウス工業と組み、東京・有明に大型物流センターを建設している。2016年に稼働する予定で、都心を対象にネット通販の商品を即日配送する計画だ。
ローソンとの提携が実現すれば、ネット通販の顧客が商品を受け取れる拠点が増え、一段と利便性が高まる。セブンイレブンやファミリーマートとの提携も検討していく。
ローソンも今月7日に佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと、コンビニを拠点にする宅配サービスで業務提携するなど異業種連携を広げている。ユニクロの商品をコンビニ店舗で受け取れる仕組みを採用すれば、店舗への集客につながる。
ファストリの14年8月期の国内ユニクロ事業の売上高は7156億円。このうちネット通販は255億円で4%弱にとどまっている。国内のユニクロの店舗数は現在約840店舗に達しており、今後は大きく増やさない方針。ネット通販のてこ入れで一段の事業拡大を目指す。