【ニューデリー=共同】ネパール中部で25日午前11時56分(日本時間午後3時11分)ごろ、マグニチュード(M)7.9の強い地震があり、ネパール当局によると、首都カトマンズなどで108人が死亡した。死者がさらに増える恐れがある。世界最高峰エベレスト(8848メートル)でも雪崩が起き、約30人が負傷。隣国インドや中国などでも被害が出た。
倒壊した建物で作業する人たち(カトマンズ)=AP
在ネパール日本大使館が日本人の安否確認を急いでいる。日本の外務省によると、ネパールの在留邦人は約千人。
ロイター通信などによると、カトマンズでは塔が倒れ、少なくとも50人が身動きが取れない状況になっていると報じた。安否は不明。隣国インドの北部や東部でも死者が出た。中国チベット自治区でも1人が死亡。バングラデシュでも被害が出ているもようだ。
地元メディアによると、世界遺産の歴史的建造物を含む多くの建物が倒壊し、道路に地割れが起きた。ネパールの建物の多くはレンガなどを積み重ねたような構造で、耐震性は弱いとみられる。
カトマンズ国際空港が閉鎖されたとの情報もある。
エベレストなどの山岳ツアーを手配する東京の旅行会社に入った連絡によると、ネパールの地震の直後、エベレストのベースキャンプで雪崩が発生し、現地のガイドは「各国のテントに被害が出た」と話したという。
エベレストなどヒマラヤ山系は登山シーズンを迎えており、ネパールには日本人を含めて多くの外国人が訪れている。
カトマンズ近郊に住む国際協力機構(JICA)の清水勉ネパール事務所長は共同通信の電話取材に「大きな揺れがあり、道路の塀が倒れ、余震が次々と起きた。知人のネパール人宅も全壊した」と話した。
米地質調査所(USGS)によると、震源はカトマンズ北西約81キロ、中部ポカラ東方約68キロ。震源の深さは約15キロ。