【ムンバイ=共同】普段は観光客であふれかえるネパールの首都カトマンズの中心部タメル地区が白煙に包まれた。25日に首都の北西で発生した地震は古都の歴史を刻んだいくつもの建築物を無残になぎ倒した。
タメル地区は伝統的なネワール建築の旧王宮や寺院が集中する地域で、道は細く大型車両が入るのが難しい。インドのテレビ局は、人々が倒壊した建物の下敷きになった被災者を救おうと、素手でがれきを取り除こうとしている映像を映した。顔や頭は粉じんで真っ白になっていた。
若者たちの憩いの場だった高さ約50メートルの塔「ダラハラタワー」も土台を残して無残に倒壊した。インドメディアは少なくとも50人が下敷きになっていると報道した。家族が巻き込まれたからか、気を失う女性もいた。
地元記者は「1度大きな揺れがあった後、再び揺れが襲った」と興奮した様子で話し、国全体の被害状況は分からないと繰り返した。
山岳国ネパールは通信事情が悪く交通インフラも貧弱で、被害の全容が判明するには時間がかかりそうだ。地方の被害実態は現時点でほとんど分かっていない。