ヤンマーは27日、スペインの可動式発電機メーカー、ヒモインサ(ムルシア州)を買収したと発表した。発行済み株式数の70%を取得した。買収額は非公表だが数百億円規模とみられる。ヤンマーは工場などで使う大型発電装置も手掛けており、エネルギー事業を強化する。
ヒモインサは建設現場や携帯電話の基地局で使うコンテナ型の発電機を製造・販売し、中南米や東南アジアに販路を広げている。2014年度の売上高は約236億円、営業利益は約25億円。
ヤンマーは22日付で創業者一族から株式を取得した。6月以降に取締役3人を派遣するが、社長は現在のフランシスコ・グラシア氏が引き続き務める。
ディーゼルエンジンや農業用トラクターを主力とするヤンマーは、コージェネレーション(熱電併給)装置などのエネルギーシステム事業を新たな柱に育てる考えだ。14年度の同事業の売上高は約750億円だったが、18年度に1600億円を目指す。ヒモインサにヤンマー製品の生産を委託したり、販路を小型建機などの販売に活用することも検討している。
可動式のコンテナ型発電機はエンジンなどを備え、電力網の整備が遅れている新興国で需要が伸びている。ヤンマーはこれまでヒモインサにエンジンを供給していた。