【ニューデリー=堀田隆文】25日に大地震が起きたネパールで懸命の救助活動が続いている。現地時間28日正午(日本時間午後3時15分)ごろには、生き埋めになった人らの生存率が急激に下がる「発生から72時間」を迎える。ネパールやインド、中国など周辺国の死者は4千人を超え、救助活動は正念場を迎えた。
AP通信などによると、ネパールでの死者は4010人に達し、負傷者も7000人を超えた。数万人の住民が家を失い、路上での生活を余儀なくされている状態だ。
多数の行方不明者ががれきの下敷きになっているほか、農村部の被害状況はいまだ正確に把握できていない。
現地では各国の救助隊などの捜索活動が続く。ネパール隣接国のインドからは、軍が十数機の軍用機で救援活動を支援。3つの病院を展開し、負傷者の治療にあたっているという。中国の捜索・救助隊、医療班も活動を拡充している。
国際機関からの支援も相次ぐ。世界保健機関(WHO)は8万人が3カ月利用できる量の医薬品などを配布。国連児童基金(ユニセフ)は医薬品やテントなど救援物資120トンを緊急の航空便で送ることを決めた。
ただネパールは山岳地帯にあり、救助活動は容易ではない。救援隊の航空機が空港の混雑や混乱で円滑に離着陸できない状況も続く。日本の国際緊急援助隊の救助チームは27日に首都カトマンズに入る予定だったが、同日は着陸を断念。28日に再度、入国を目指す。