日本経済新聞デジタルメディアが5月1日に算出した2015年3月の日経景気インデックス(日経BI、速報値)は前月から0.2ポイント低下し104.0(2010年平均=100)となった。低下は2カ月連続。内閣府が景気動向指数による基調判断に使う3カ月移動平均では、日経BIは7カ月ぶりに前月比マイナスに転じた。マイナス幅は小さく、現時点では景気が足踏みしているとまでは言えないものの、改善の勢いは鈍化した形だ。 景気の水準と勢いを示す日経BIは、鉱工業生産、所定外労働時間、有効求人倍率、商業販売額の4指標に共通する「景気の波」を取り出して指数化している。 ■3月は2指標が悪化
3月は日経BIの構成4指標のうち2指標が悪化した。鉱工業生産は前月比0.3%減と微減ながら2カ月連続で前月比マイナスとなった。電力変換装置やエアコンの生産が落ち込んだ電気機械や、重油やジェット燃料油が減った石油・石炭製品など、15業種中9業種で生産指数が低下した。製造工業生産予測調査によると、4月には前月比2.1%上昇するが、5月には再び同0.3%低下する見込みだ。 サラリーマンの所得変動を示す所定外労働時間(規模30人以上)は、前月比0.3%減で、2カ月連続のマイナスとなった。製造業や建設業はプラスだったものの、卸売・小売業や医療・福祉が前月を下回った。 公共職業安定所(ハローワーク)での求職者1人あたりの求人件数を示す有効求人倍率は、前月比横ばいの1.15倍だった。有効求人数は同1.2%減、有効求職者数は同1.3%減だった。 需要動向を示す商業販売額は前月比1.4%増と、2カ月ぶりのプラスとなった。小売業は全般に不振だったが、2月に訪日外国人の消費などで前月比4.0%増となった百貨店など各種商品は、わずかながら前月を上回った。卸売業では一般機械器具、家具・建具・じゅう器、医薬品・化粧品が伸びた。 なお今回、日経BIを構成する4指標の季節調整値などの改定が出そろったため、日経BIを過去に遡って再計算している。 (日本経済新聞デジタルメディア 渡部 肇) |
3月の日経BI、前月比0.2ポイント低下
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