【北京=大越匡洋】中国税関総署が8日発表した4月の貿易統計によると、米ドルベースの輸出額は前年同月比6.4%減り、2カ月連続で前年水準を下回った。輸入は16.2%減と2桁の減少幅となり、6カ月連続で前年よりも落ち込んだ。国内外の需要は力強さを欠き、中国景気の下押し圧力はなお強い。
4月の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は約341億ドル(約4兆900億円)の黒字だった。石炭などの輸出が大きく落ち込んだが、輸入がそれ以上に減り、貿易黒字を確保した。
中国政府は今年の輸出と輸入を合わせた貿易額の伸びの目標を「6%前後」と設定している。ただ、1~4月の貿易額は前年同期に比べ7.6%減っており、目標達成は早くも厳しい状況だ。
主な貿易相手別にみると、1~4月の日本との貿易額は11.2%減と2桁の減少幅となった。欧州連合(EU)向けも5.3%減だった。一方、景気が比較的堅調な米国向けは2.1%増、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは1.2%増だった。