【イスタンブール=佐野彰洋】ギリシャのチプラス首相は10日、アテネでバルファキス財務相ら関係閣僚を集め、11日のユーロ圏財務相会合への対応を協議した。首相は「(支援協議の)進展を示す明確な声明が必要だ」とし、ユーロ圏側に譲歩を求めた格好だ。
国営アテネ通信が報じた。深刻な財政難に陥っているギリシャは11日の会合で凍結中の金融支援再開を決定するよう求めてきた。
一方でギリシャは欧州連合(EU)などが求める年金減額や労働市場改革は「反緊縮」の選挙公約に触れるとして抵抗している。EU側との隔たりは依然大きく、今会合での決着は困難との見方が広がっている。
最大の貸し手であるドイツのショイブレ財務相は10日付の独紙インタビューで、ギリシャが突然返済不能になる恐れに言及した。
11日の会合では、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念も意識される中で、直近の交渉内容を評価し、早期の支援再開に望みをつなぐメッセージを発信できるかが焦点となる。