【ワシントン=共同】英国の歌手サラ・ブライトマンさん(54)は13日、9月に予定していた国際宇宙ステーションへの観光旅行への参加を辞退すると発表した。交代要員として訓練してきた日本の高松聡さん(52)がロシアのソユーズ宇宙船で飛行する可能性が高まった。
ロシア宇宙庁が2001年に始めたステーションへの観光旅行にはこれまで米実業家ら7人が参加しているが、実現すれば日本人として初めて。高松さんは広告代理店大手の電通の元社員で、宇宙旅行会社スペーストラベルの社長を務める。
4月末に起きたロシアの無人貨物機プログレスの打ち上げ事故の影響で、日本人飛行士の油井亀美也さん(45)のソユーズでの飛行も2カ月延期になっており、ロシア宇宙庁が高松さんの飛行を正式決定するかどうかはまだ不透明だ。
ブライトマンさんはホームページで「個人的な家族の理由により現時点での飛行を延期します」と表明。滞在中に宇宙から歌声を届ける構想は見送りになった。
高松さんは今年1月からモスクワ郊外の「星の町」などで訓練を続けている。旅行費用は非公表だが、ロシアのメディアは約8千万ドル(約95億円)とも伝えている。
ソユーズは9月1日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられてステーションにドッキングし、11日に地球に戻る予定。油井さんの滞在期間と重なるため、高松さんに決まれば日本人2人が宇宙で対面することになる。
4月にはロシア宇宙庁がブライトマンさんの代わりに高松さんの指名を検討していると伝えられた。関係筋は高松さんの訓練成績が優れているためと説明していた。〔共同〕