【ニューヨーク=共同】米東部フィラデルフィアの全米鉄道旅客公社(アムトラック)列車脱線事故で、運転士が「脱線時は脳振盪(しんとう)を起こし、何も覚えていない」と弁護士に語っていたことが分かった。弁護士が14日までに明らかにした。
フィラデルフィア市当局は列車に乗っていたとみられる乗客乗員243人全員の消息を確認し、死者は8人に上ったと発表した。
速度超過が事故につながったとの見方が強まるが、運転していたブランドン・ボスティアン運転士(32)は警察の聴取に消極的とされる。米運輸安全委員会(NTSB)も聴取できていない。
米メディアによると、運転士は2010年から運転業務に就き、それ以前は4年間車掌を務めていた。
鉄道愛好家のサイトにはボスティアン運転士の投稿とみられる書き込みが度々見られ、自動制御装置などの安全対策が遅れていると非難していた。
アムトラックのボードマン最高経営責任者(CEO)は、事故が起きたワシントンとニューヨーク、ボストンを結ぶ路線に制御システムを今年中に導入すると確約した。