【NQNニューヨーク=古江敦子】20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が上昇した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、この日から期近となった7月物は前日比0.99ドル高の1バレル58.98ドルで終えた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の石油在庫統計では原油在庫の減少が続き、需給の緩みが解消に向かうとの見方から買われた。生産が前の週から減ったことも買い材料視された。
ただ、相場の上げの勢いは限られた。外国為替市場でドルがユーロや円などに対して上昇し、ドル建てで取引される原油先物の割高感が意識されたことが相場の重荷となった。
ガソリンは4営業日ぶりに反発した。5月末のメモリアル・デー以降に米国ではドライブシーズンが本格化するとあって、需要増を見込んだ買いが相場を支えた。ヒーティングオイルも4営業日ぶりに反発した。
金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である6月物は前日比2.0ドル高の1トロイオンス1208.7ドルで終えた。財政難に陥ったギリシャへの金融支援を巡る協議が難航していると伝わり、安全資産とされる金の先物が買われた。
通常取引を終えた後の時間外で、金先物は上げ幅を拡大した。米連邦準備理事会(FRB)が公表した4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、多くの参加者が6月に利上げする可能性は低いとみていたことが明らかになった。金市場への資金流入が当面は続くとの見方が相場を支えた。
銀、プラチナは反発した。