小型無人機「ドローン」を使ってマラソン大会を空撮する際、無免許では使用できない周波数帯の電波の送信機を付けたとして、神奈川県警大磯署は21日までに、電波法違反(不法開設)の疑いで、空撮会社「フライトエディット」(東京都武蔵村山市)と、同社の男性役員(51)を書類送検した。
電波法を所管する総務省によると、ドローンを無線局の不法開設場所とした摘発は全国で初めて。同省は「上空から電波が出るので遮るものがなく、妨害電波の影響が広範囲に出る可能性があった」としている。
書類送検容疑は昨年11月3日、神奈川県大磯町で開かれた「湘南国際マラソン」のスタート地点を撮影するため飛ばしたドローンに、総務相の免許を得ないまま5.8ギガヘルツ帯の電波を使用するカメラ画像伝送用の送信機を取り付けた疑い。
同署によると、役員は大会スポンサーの依頼で空撮を実施。近くで別のドローンも空撮をすると知り、混信などのリスクがあると判断して周波数帯が異なる送信機を一時的に使った。調べに「常時使うことだけが違法だと思っていた」と話しているという。
フライトエディットのドローンは大会当日に落下し、スポンサー企業の女性(40)が顔を切る大けがを負ったことから総務省と同署が調べていた。
総務省によると、問題となった送信機は外国製で、通信販売などを通じて流通しているという。〔共同〕