自民党の東日本大震災復興加速化本部(額賀福志郎本部長)は21日の総会で、政府への第5次提言案をまとめた。東京電力福島第1原子力発電所事故の避難者の早期帰還や東電による賠償の延長などを求めた。公明党と調整し、月内にも安倍晋三首相に手渡す。
提言案は、放射線量が比較的低い「避難指示解除準備区域」(約3万2千人)と「居住制限区域」(約2万3千人)について「遅くとも事故から6年後まで」に避難指示を解くよう要望した。
避難指示の解除は避難者約5万5千人が東電から月10万円を受け取る精神的慰謝料の1年後の打ち切りを意味する。解除を事故から6年後の2017年3月より前倒しした場合でも、18年3月までは慰謝料を受けられる仕組みの整備を求めた。政府側も具体策の調整に入る構えだ。
住民帰還への環境整備の強化が求められる15、16両年度の2年間を「集中的に自立支援施策の展開を図る期間」と位置づけた。福島第1原発事故による東電から商工業者への営業損害の賠償を、この2年間は続けるよう要請する。政府と東電は昨年末、営業賠償を16年2月までにやめる方針を示したが、商工業者が反発していた。
復興事業の全額国負担の見直しは「例外的に被災自治体において負担能力の範囲内で一部負担すること」と14日の骨子案から書きぶりを変えた。被災地への配慮を求める声を受け、「負担能力の範囲内で」といった文言を加えた。