30日午後8時24分ごろ、小笠原諸島西方沖を震源とする地震があり、東京都小笠原村・母島と神奈川県二宮町で震度5強を観測するなど、北海道から沖縄までの全国各地で揺れが確認された。震源の深さは約590キロで、地震の規模はM(マグニチュード)8.5と推定される。気象庁によると、津波の心配はない。
地震の影響で新幹線の運転が見合わせとなったことを伝える電光板(午後8時56分、JR東京駅)=共同
政府は30日夜、小笠原諸島沖の地震を受けて官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置した。
原子力規制庁によると、茨城県東海村の東海第2原子力発電所で異常は確認されていない。JR各社によると、東海道新幹線が東京―新大阪間の上下線で一時運転を見合わせ、山手線や埼京線などの在来線の一部も運転を見合わせた。東京電力によると、東京都足立区と埼玉県ふじみ野市の計約600世帯が一時停電した。
総務省消防庁によると、転倒による打撲などの被害が数件報告されているという。
震度5強を観測した東京都小笠原村の母島。雑貨店店主の前田豊さん(47)は「ゆっくりとした大きな横揺れが1分ほど続き、どこまで強くなるのかと怖かった」と振り返った。店の棚からシャンプーなどが落ちたという。
同じく震度5強だった神奈川県二宮町の酒屋の女性店員(51)は隣接する自宅で家族と夕食中、小さな揺れがだんだんと大きくなり、急いでテーブルの下に潜った。「天井の照明が左右に大きく揺れ、恐ろしかった」と声を震わせた。
各地の主な震度は次の通り。
震度5強=東京都小笠原村、神奈川県二宮町▽震度5弱=埼玉県鴻巣市、春日部市、宮代町▽震度4=東京都千代田区、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市など