【ワシントン=岩本昌子】米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は2日、1~3月期の米経済成長の弱まりについて、一時的なものにとどまらない恐れがあるとの考えを示した。その上で「米経済の根本的な勢いを見極めるまで、しばらく見守ることに価値がある」と述べ、政策金利の引き上げ開始に慎重な態度を示した。
ワシントン市内での講演の発言。FRB理事は米連邦公開市場委員会(FOMC)で常時投票権を持つ。
ブレイナード理事は米国の経済回復や金融政策について、ギリシャの財政問題や中国の経済成長減速など諸外国の経済情勢からの影響は免れ得ないと指摘した。また米経済への楽観的な見方に関しては、エネルギー価格の下落が消費を後押しする好影響を期待する一方、急激なドル高や原油安が需要に及ぼす悪影響を過小評価しているとの見方も示した。
今後の経済データによって米景気回復の勢いが戻り、雇用の改善や物価上昇が続く確信が得られるようなら、金利引き上げは年内になると予測した。