【エルマウ(ドイツ南部)=佐藤理】安倍晋三首相は7日夜(日本時間8日未明)、ドイツのメルケル首相、イタリアのレンツィ首相と相次いで会談した。両首相にロシアのプーチン大統領との会談を目指す方針を伝えた。G7がウクライナ問題では対ロ制裁で足並みをそろえていることを踏まえ、今後の日ロ外交の推進に理解を求めた。
安倍首相は、日本がロシアとの間で北方領土問題を抱えている状況を説明し「ロシアとの対話は必要だ」と強調した。両首相は「コンタクトをとるのは賛成だ」(メルケル氏)などともに理解を示した。
安倍首相はこれに先立つオランド仏大統領との会談でも同様の話を持ちかけていた。7日までに個別に会談した仏独伊3カ国の首脳から、対ロ外交の「お墨付き」を得た格好だ。
安倍首相は3カ国との首脳会談で、国会で審議中の安全保障関連法案についても説明した。法案の成立が安全保障分野での日本の国際貢献につながると訴え、3首脳から支持を取り付けた。国際世論の支持をアピールすることで、国内世論での理解を広げ、法案の早期成立につなげる思惑もありそうだ。