神奈川県は20日午後、小型無人機「ドローン」を飛ばして撮影した箱根山・大涌谷周辺(同県箱根町)の立ち入り規制区域内の映像を関係者に公開した。地面から激しく上がる白い噴気や、円筒形の温泉供給設備の上部が崩れている様子が会場のスクリーンに映し出された。
ドローンから撮影された箱根山・大涌谷周辺の立ち入り規制区域内の様子。複数の場所から噴気が上がっている(20日午前、神奈川県箱根町)=神奈川県提供・共同
同日午前、無償協力を申し出た業者2社のドローン2機を使い、蒸気が最も強く出ている場所から半径200メートル以内を地上15~20メートルの高さから撮影した。
約400軒に温泉の湯を供給している「箱根温泉供給」(同町)の井手幸彦事業部長は「立ち入り禁止の場所で設備がどうなっているか分からなかったが、映像から3カ所の不具合が確認できた。噴火警戒レベルが下がったら早急に復旧工事をしたい」と述べた。
県は映像で地面の形状などを分析し、今後1カ月をめどにドローンやロボットを使って火山監視のセンサーの増設を進める方針。〔共同〕