【ワシントン=共同】米スペースXのドラゴン宇宙船打ち上げ失敗を受け、米航空宇宙局(NASA)は28日(日本時間29日未明)記者会見し、7月23日に予定する日本人飛行士油井亀美也さん(45)の国際宇宙ステーションへの飛行に影響はないとの認識を示した。
ステーションには10月まで4カ月分の食料や水が備蓄されており、7月3日に予定するロシアの無人貨物機プログレスの飛行再開や、8月16日の日本の無人補給機「こうのとり」の打ち上げで十分な物資を確保できるとしている。特にこうのとりは大量の水を届ける予定で、ドラゴンの失敗により日本の存在感が高まりそうだ。
スペースXは米連邦航空局(FAA)と原因調査を始めた。ドラゴンを載せたファルコン9ロケットは打ち上げ2分半後に上空で爆発。1段目ロケットの分離直前に2段目ロケットの液体酸素タンクに異常な圧力上昇が起きたことが分かっており、2段目のトラブルが原因の可能性がある。飛行再開に先立つ調査は数カ月かかる見通し、
ステーションには現在、1年間の長期滞在を含む米ロの飛行士3人が滞在。NASAは油井さんら3人の飛行士が新たにロシアのソユーズ宇宙船で到着することで、科学実験を計画通り続けることができるとみている。
NASAのボールデン局長は「失敗は残念だが計画の想定内。将来の太陽系探査に向けて安全かつ効率的にステーションの運用を続ける」とのコメントを発表した。