トヨタ自動車は2日、新型の種類株式「AA型種類株式」の発行価格を1万598円に決定したと発表した。2日の終値8153円を30%上回る水準。募集株式数は4710万株(当初の上限は5000万株)で、手取り概算額は4749億円。購入者が5年間は売買できない一方で、トヨタが元本を保証するなど世界でも異例の新型株が日本の資本市場に誕生する。
申込期間は3日から22日までで、新型株の引き渡しは24日。野村証券の全国の支店で申し込むことができる。初年度の配当は0.5%で、5年目以降は2.5%で固定とする。
野村証券は購入の希望を6月22日から募っていたが、「支店への問い合わせは非常に多い」という。募集株数は4710万株で、希望者が上限を超えた場合は新型株を5年間は購入できないことになる。
新型株の発行は6月16日の定時株主総会で承認されていた。世界でも異例の新型株について、豊田章男社長は「民間企業のトヨタが資本市場の幅を広げる」と話していた。独立系運用会社スパークス・グループ(8739)の阿部修平社長は「日本の個人は元本が減ることを一番恐れる。トヨタの新型株は新しい層を資本市場に引き込む」とみている。
トヨタは同時に4710万株を上限とする自社株式の取得を発表した。取得総額は最大6000億円。取得期間は2015年7月27日~16年3月31日。〔日経QUICKニュース(NQN)〕