味の素は2日、家庭用うま味調味料「味の素」と「うま味だし・ハイミー」の価格や容量などを8月19日出荷分から改定すると発表した。「味の素」は11品種を5品種、「ハイミー」は5品種を3品種に削減すると同時に、1グラム当たりの出荷価格を6~12%程度引き上げる。生産の効率化を進めているが、円安や原料高によるコスト増を吸収しきれないとしている。
値上げは7年ぶりで、品種や容量も含めた大幅な品ぞろえの見直しは46年ぶりとなる。パッケージもリニューアルする。「味の素」は現在、容量が6グラム~1キログラムまで11品種があるが、30グラム~400グラムの5品種に絞る。品種数の削減で包装効率などを高めてコスト削減につなげる。
同社によると原料となるタピオカでんぷんの市場価格は2008年比で1.5倍になった。物流費なども上昇しており、合理化によるコスト削減だけでは吸収できないという。「味の素」の1世帯あたりの平均購入量は08年度より約2割減っており、品種を絞っても消費者の要望に応えられると判断した。
為替や原料高の影響に加えて、今後も人件費などコスト上昇要因は多い。味の素は約40億円を投じる新包装工場を17年に稼働させ、生産性を3割高める計画だ。「味の素」そのものの生産体制も見直すなど効率化を急ぐ。