日航ジャンボ機墜落事故の遺族らは11日夜、墜落現場の「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)の麓を流れる神流川で犠牲者をしのび灯籠流しを行った。
「ぬくもりを忘れない」――。墜落時刻の午後6時56分が近づくと、全員で黙とう。亡くなった人への様々なメッセージがつづられた大小約300個の灯籠が浮かべられ、水面(みなも)を赤く照らした。
東京都大田区の滝下史代さん(72)は兵庫県の妹宅に向かう次男の裕史君(当時11)を1人で乗せたことを今でも悔やんでいる。「生きていたらどんな大人になっていたか。これからも私たちを見守って」と祈りをささげた。
堺市の山岡清子さん(69)は長女の知美さん(当時16)と次女の薫さん(同14)を亡くした。体調を崩し数年間は控えていた命日の12日の慰霊登山を、今年は「30年の節目だから」と薫さん愛用のバッグを持ち、夫(78)や長男(48)とともに登る。「来年以降も足腰が持つ限り、会いに来たい」と話した。