【シンガポール=菊池友美】シンガポールで11日、総選挙(一院制の国会議員選)の投票が始まった。「建国の父」であるリー・クアンユー初代首相が3月に死去してから初めての総選挙となる。
11日朝、同国内の投票会場には午前8時(日本時間同9時)の投票開始とともに多くの国民が駆けつけた。今回の総選挙ではリー・クアンユー氏らが立ち上げ、1965年の独立から政権を握り続ける与党・人民行動党(PAP)と8つの野党などから出馬した計181人の候補が29の選挙区で89議席を争う。投票は同日午後8時に終了、同10時ごろには開票速報が発表される見通しだ。
与党は改選前の87議席のうち80議席を占め、今回の総選挙も与党が優勢とみられる。だが与党の得票率は2000年代に入り下落傾向にあり、11年の前回総選挙では独立以来最低の60%に落ち込んだ。得票率がさらに下がれば求心力低下につながる可能性もあり、外国人労働者受け入れなどの政策見直しを迫られる可能性もある。