大阪府豊中市は14日、介護付き有料老人ホーム「アミーユ豊中穂積」で30代の男性職員が70代の女性入所者の首を絞めるなどの虐待をし、全治3週間のけがを負わせたと発表した。市は介護保険法に基づき、施設を10月1日から6カ月間、新規入所者の受け入れを停止する処分にした。
同施設はメッセージ(岡山市南区)が運営している。同社は、入所者3人が転落死した川崎市幸区の老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」の運営会社と同じグループ。
豊中市などによると、男性職員は6月18日午前0時ごろ、廊下を徘徊(はいかい)していた女性を部屋に戻そうとして、頭をたたいて首を絞め、腰を蹴るなど暴行。女性は転倒して頭部を強打し救急搬送された。府警豊中南署が同日、職員を傷害容疑で逮捕した。
施設側から報告を受けた市が調査し、この職員が5月にも2回、同じ女性に平手打ちなど暴行をしていたことも判明。職員は同僚に「いつか手が出そうだ」と相談していたが、同僚は上司に報告しなかった。職員向けの虐待防止研修なども不十分だったという。
職員は7月7日付で懲戒解雇された。運営会社メッセージの担当者は「大変申し訳ない。職員教育や支援体制を強化し、再発防止に努める」と話している。