【NQNニューヨーク=岩切清司】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。終値は前日比290ドル16セント(1.7%)安の1万6384ドル58セントだった。世界経済の先行きに対する不安感が台頭。日欧の株式相場の下落も加わり投資家心理が悪化した。
前日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では中国や新興国を中心に世界経済の動向に警戒感が示された。利上げを見送ったものの、市場の想定以上に景気動向に慎重な姿勢を明らかにしたことで投資家の間に動揺が広がった。「世界経済の後退リスクを意識し、投資家は相場の見通しを変え始めた」(フォートピット・キャピタルのキム・フォレスト氏)との指摘もあった。
米株式市場では建機のキャタピラーなど景気敏感株の一角の下げが目立った。原油先物相場も下落し、石油のエクソンモービルなども売られた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げで業績期待が高まっていた大手銀株も軒並み下落した。
8月の米景気先行指標総合指数は前月比で上昇した。ただ、市場予想並みにとどまったため、相場への影響は限られた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。同66.721ポイント(1.4%)安の4827.228となった。
業種別S&P500種株価指数は全10業種が下落した。「エネルギー」や「素材」「資本財・サービス」の下げが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約24億3000万株(速報値)、ナスダック市場は約28億4000万株(同)。株価指数先物、同オプションなどの権利行使最終日が重なり、売買高が膨らんだ。
増資を発表した鉱業のフリーポート・マクモランが安い。製薬のメルクやIBM、航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)も売られた。
ソフト大手のアドビシステムズは業績期待を背景に買いが優勢だった。