【NQNニューヨーク=古江敦子】18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅に続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の10月物は前日比2.22ドル(4.7%)安の1バレル44.68ドルで終えた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて世界景気の先行き不透明感が改めて意識された。原油需要が伸び悩むとの懸念が強まり、先物に売りが膨らんだ。
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長はFOMC後の記者会見で、世界経済について「見通しはより不確実になっている」と語った。市場では「当面は原油需要が高まりにくく、需給の緩みを見込んだ売りが出た」(トラディッション・エナジーのジーン・マクギリアン氏)との指摘があった。
米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後発表した週間の掘削設備(リグ)稼働数では米国での稼働数が3週続けて減った。ただ、原油需給の緩みに対する警戒が根強く相場の反応は限られた。
ガソリン、ヒーティングオイルも続落した。
金先物相場は大きく反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である12月物は前日比20.8ドル高の1トロイオンス1137.8ドルで終えた。FRBが前日のFOMCで利上げを見送ったため、金市場から投資資金が流出するとの警戒がいったん和らいだ。金先物には早期の利上げを見込んだ売り持ち高を解消させるための買い戻しが優勢になった。
外国為替市場でドルが主要通貨に対して下げた場面では、ドルの代替投資先として金の先物が買われた。
銀は3日続伸し、プラチナは反発した。