関東・東北豪雨による鬼怒川の堤防決壊をめぐり、茨城県常総市が住民に避難指示を出したことを知らせる「緊急速報メール」を送っていなかったことが21日、市への取材で分かった。市は「忙しくて手が回らなかった」と説明している。

市によると、緊急速報メールは携帯電話を持った人に避難や大雨などの情報を一斉に送る仕組みで、情報伝達の有効な手段の一つとして2012年に始めた。

市は10日午前２時20分から午後１時８分の間に避難指示を断続的に発令。防災無線や広報車、ホームページで知らせていたものの、メールは送っていなかった。大雨注意情報の発令や避難所の開設などに関するメールは送っていたという。

市安全安心課の斎藤健司課長は「限られた人数で土のうを積む手配などに追われ、手いっぱいの状態だった」と話している。〔共同〕