【ジュネーブ=共同】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは21日夕、北朝鮮による拉致被害者の家族らが同国の人権侵害の実態を訴えるイベントをスイス・ジュネーブの国連欧州本部で開いた。
国連欧州本部でのイベントにビデオメッセージを寄せた横田早紀江さん(21日、スイス・ジュネーブ)=共同
横田めぐみさん=失踪当時(13)=の弟で拉致被害者家族会の横田拓也さん(47)が「姉や他の被害者が一日でも早く幸せな時間が過ごせるよう国際社会が一丸となって北朝鮮に強い圧力をかけるべきだ」と訴えた。
めぐみさんの母早紀江さん(79)はビデオメッセージで、つらい思いをしながら娘の帰還を待ち続け疲れ切っている胸の内を吐露した。
会場には、タイや韓国の拉致被害者家族らも出席し、それぞれ被害者の一刻も早い帰還に向け、一層の支援を国際社会に呼び掛けた。
イベントの最後に、北朝鮮の人権状況に関する報告書をまとめた国連調査委員会のカービー元委員長が「拉致は国家テロで、野蛮な海賊行為。国際社会の関心をいつまでも維持させるため努力しなければならない」と締めくくると、会場から大きな拍手がわいた。